かろうじて戻ってきました。
父方の祖母と、母方の祖父。縁もゆかりもなかった二人の人生の話。
まだ全然、二人の人生のさわりしか判明していないんですけどね。
では前回のつづきから。本籍地のある市町村がわかれば、戸籍謄本(二人の場合は除籍謄本)を取得できます。「除籍謄本」はその戸籍から全員がいなくなった戸籍のことを言うようで、お役所では「亡くなっている方の除籍謄本ですね」で通じた気がします。ともかく、謄本を入手すれば、生まれてから死ぬまでの人生イベント、たとえば引越し、結婚や離婚(とその相手)もだいたいわかるはずでした。
二人の本籍地は、とある地方の電車で一時間ちょっとの距離。昨年の夏、観光ついでにそれぞれの役所に行ってみました。一応、戸籍は本人と直系の人でないと取得できない(それ以外は委任状が必要)らしいということは調べていましたが、役所が近くにつれてそわそわ。「本当に取れる?」「親戚に電話されたりしない?」「いや別に電話確認されても問題ないか…」と無駄な思考を巡らせます。
そしてお役所めぐりの一軒目。亡くなっている人の戸籍謄本を取るにあたり、大いに学びました。遺産相続手続きや家系図作成以外の目的は、非常に怪しまれます。「興味本位で…」が通じない世界。その窓口の人を納得させる理由が必要みたいです。
ー亡くなった祖父の最初か二番目の妻が私の祖母なんですが、何も知らなくて、名前や出身地だけでも知りたいんです
ここまで言うと(実際はもう少ししつこく説明しています)、ようやく出してくれました。
二軒目…。コツはつかめていますので、説明できます。
ー祖父(亡くなった祖母の夫)の名前や出身地、最終的に離婚したかどうか。離婚していたら祖父の本籍地は最終的にどこかが知りたいんです
こちらは交渉なんて必要なく、すんなり出してくれました。しかも古い手書きの戸籍に付箋でメモも付けてくれる丁寧さ。「S35.10.26 ●●市から転籍」「S49.1.14 離婚後は●●市」ありがたいけど、若干のネタバレ…(ネタじゃない!と雷が落ちてきそうですが)。
ともかく、この2通の戸籍謄本があれば、二人の人生はほぼ判明すると思い込んでいたのですが、まったく逆の結果が待っていました。どちらの戸籍にも「転籍」の文字。
まず母方の祖父。転籍によってそれまでの経緯(再婚前の出来事)が「消され」気味。良く言えばそれで済みそうですが、穿った見方をすると「消したね?」とも言えそうな…。
そして父方の祖母。実はこちらも転籍により、見えなくなっている部分があるうえに、転籍前の住所も謎。まったく聞いたことがない(自分が子どもの頃、同居していたのに…)地方です。住んでいたのか、架空なのか、なぜ本籍地を移す(転籍する)必要があったのか…(祖父パターンの可能性=もしかして再婚?もあるなと←それはさすがに勘ぐりすぎ)。
とにかく知りたいことのすべては霧の中。転籍前の住所から、さらに戸籍を入手するしかないという結果となった次第です。さすがに二人の転籍前の戸籍は電車で1時間というわけにはいかず…馴染みのない市町村のお役所に平日に行くという宿題だけが残っている2020年でした。