時間の無駄だよと言ってくれたF君のこと

桃太郎電鉄と、ももクロがコラボするらしい。

 

ももクロ推しかつ、桃太郎電鉄ファンとしては、コラボするからには本気でやらなきゃね…と勝手に意気込んでいる。ただ、こういう時に思い出すのが学生時代のF君の言葉。

 

あの頃、部活の一部のメンバーのなかで猛烈に流行ったゲームがあった。同世代なら誰もが通過した王道のRBG。その話題に盛り上がる自分たちにF君は明るく言い放った。

 

「時間の無駄だよ。やめなよ」

 

ど正論すぎて、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてしまったのをよく覚えている。いや、みんななんとなくは自覚してる。それを直球ど真ん中で投げ込まれた感じ。その場はなんとなく曖昧な雰囲気で終わった気がする。そのうちゲームブームは終息し、ぶり返すこともなく卒業した。

 

F君は別にゲーム自体を否定していたわけじゃない。いまそのゲームに自分の時間を費やしていいの?それって時間の無駄じゃない?という至極真っ当な問いかけだった。それは、今でもありがたいことに時々自分を正気に戻らせる。

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数年後、偶然F君に再会した。お互い社会人になり、F君を形容する言葉は”精悍”、”鋭い”から”恰幅の良い”、に変わっていた。でも話すとやっぱり時間を大切に生きてきたんだろうなあという説得力があった。対して自分は仕事に文字どおり「いっぱいいっぱい」で、「頑張ってる、とてもゲームところじゃないよ」って言えるだけ。それでも、「そうかそうか」って頷かれて「明日も頑張ろう」って思った。そんなに年も違わないのに聖人君子か君は…。

 

いまになって考えると、論破するのではなく、みんなそれでいいの?という問いかけは利他的で、自分たちには大人っぽい言葉に聞こえたのかもしれない。F君はただ練習させたかっただけという可能性もあるけど…笑。それでも時間を大切に、損得なく、空気も読まず、大切な人にはダメなものはダメって伝えられるような生き方をしていたいなと、思い出すたびちょっと背筋を伸ばす。

 

とは言ってもももクロちゃんがいるのは芸能界。何がCMにつながるかはわからないしな…。いや、それでもここにこっそり書いておこう。

 

「たぬきに借金返すゲーム? 時間の無駄だよ、引退してからのんびりやればいいよ」

 

「桃太郎電鉄? モノノフが頑張ります」